漢方のお話

実証のうつとしてもう一つ、痰鬱とよばれる、痰湿によるうつです。肝と脾の相克による肝脾不和や、食習慣の不摂生で脾の運化機能が悪くなることで、湿を生じ痰が溜まることで、痰が胸のあたりにたまります。いわゆる梅核気と言われるものです。咽喉中にものが詰まった違和感があるが吐き出せない、飲み込めない状態です。気の流れが悪いので、胸に圧迫感もあります。痰湿タイプの人は大きなストレスがなくても気滞になりうつを起こしやすくなるので注意が必要です。また「胸」なので肺の変調も起こしやすいです。気がスムーズに流れないので、本来肺の機能である粛降が出来ず、(吸い込んだ気を下に降ろす)呼吸が浅い、苦しいという症状とともに、咳やくしゃみなども起こります。実証のうつが慢性化すると、気血が消耗されていきます。そうすると...

イライラよりも、落ち込みや倦怠感、無力感が目立つ更年期障害は「心脾両虚」タイプです。心脾両虚は、その名前の通り、心と脾が両方虚している状態です。

と言っても、更年期障害のほとんどはいくつかの原因が重なって起こりますので、これだけが原因ということのほうが少ないと思います。また腎陰虚と腎陽虚の両面から考える必要があります。

中医学では「閉経前後諸証」と言い、7×7の49歳前後で月経閉止を迎えこれを「断経」、「絶経」と呼びます。この時期は月経異常を伴いつつ、倦怠感、怒りっぽい、意識がはっきりしない、めまい、耳鳴り、動悸、不眠、健忘、腰背部の疼痛、焦燥感、顔面紅潮、汗出といった症状が現れます。

妊娠のご相談

2021年08月17日

当薬局では妊娠を希望する女性にはとくにきめ細かい養生指導を行っております。ご相談料にはお話をお伺いするだけではなく、体質判断と養生指導が含まれています。
そのために基礎体温表をお持ち頂くことと、今までの経緯をまとめておいて頂くととても参考になります。
初回はご相談のみでも歓迎いたします。ご自身の生活習慣や食生活の見直しをして、実践して頂くだけでも体質改善につながるからです。「漢方薬」で体質改善する、のではなく、体質改善をするのは自分自身で、漢方薬はその補助的なものに過ぎません。
漢方薬を調合するにあたり、ご自身の養生は欠かせません。今の生活や食生活を変える努力をいっしょにしていきましょう!

ご相談が特に多い不妊症についてご紹介したいと思います。
私のご相談の経験上不妊症の中で一番早く妊娠するタイプは肝気鬱結タイプです。その次は気血両虚あるいはどちらかの虚、同じくらいで単なる瘀血あるいは冷え性。次は痰湿タイプ、未熟な卵胞がたくさんできる多嚢胞性卵巣症候群が特長です。
一番時間がかかるのは腎虚タイプです。
さらに混合タイプはさらに時間がかかります。
また体質改善には養生が必須です。
いかに柔軟に素直に取り組めるかが妊娠への近道かと思います。